線維化マーカー

私たちの体の中にある肝臓は、3000億個以上の細胞から成り立っている。そしてその細胞同士の間は結合細胞と呼ばれる繊維成分で埋め尽くされている。肝炎に繰り返しかかり肝細胞の破壊と再生が続くと、肝細胞の代わりに周りの繊維成分が増えていく。やがて繊維成分に取り囲まれてしまった肝細胞は正常な働きが出来なくなってしまうのである。この状態を私たちは「肝硬変」と呼んでいるのである。この繊維成分が増えると血液中にもそれが増加する。そこで線維化マーカー検査を行うことで、肝臓の線維化の進行具合を調べるのである。また、肝臓障害の程度も知ることが出来る為、肝硬変の診断には非常に重要な検査なのである。

さて、線維化マーカーは重症になればなるほど検査値が高く出る。肝硬変の場合だと、ウイルスよりもアルコールに起因している方が数値の上昇幅が大きい為、その判断材料にもなるのだ。

つまり、アルコールは肝臓病を治す際の大敵であるといえるだろう。慢性ウイルス肝炎の人がアルコールを飲むと、それが肝硬変を後押ししてしまい、進行は早まってしまうのである。加えて、肝臓がんのリスクも高まる。最近の研究によると、ウイルス性よりもアルコールが原因の肝硬変の方が発症は多いそうだ。

「酒は百薬の長」とはよく言ったものだが、たとえ薬でも過剰な摂取は毒に変わり得るのだ。線維化がさらに進んでしまわぬよう、主治医の指示のもと生活管理を行ってもらう。何よりも、大切な体のためにお酒を少し我慢することが大切だと言えるだろう。

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