アミラーゼ

アミラーゼ、別名ジアスターゼ。でんぷんなどの糖類を分解する消化酵素だ。唾液腺から分泌される唾液と、膵臓から分泌される膵液に含まれている酵素である。この2つのほかにも、卵管・肝臓・小腸・肺・心筋などにも含まれている。このアミラーゼを利用する検査がある。アミラーゼを分泌している唾液腺や膵臓が障害されたり、細胞が破壊されたりして分泌が妨げられると、アミラーゼが血液中や尿中に流れ込んでしまう。耳下腺炎・急性膵炎・慢性膵炎・膵臓がんなどの病気の疑いがある場合には、血清アミラーゼ・尿アミラーゼが上昇することが知られている為、それを活かしてアミラーゼの値を調査することで病気発見・経過観察に用いられる。また、膵臓アミラーゼは唾液腺から分泌される唾液腺型アミラーゼよりも尿中に現れやすいという特徴を持っている。このことから、血清中と尿中のアミラーゼの値を比較することで診断確定に役立てられているのである。

さて、具体的にどのような検査かというと、血清は血液採取したのち血清部分を自動分析器にかけ、尿アミラーゼならば尿を自動分析器にかけることで検出を行う。検査方法はさまざまあるのだが、多くは酵素法を用いて検査を行っているようだ。

急性膵炎は激しい腹痛を伴うのだが、この場合にはアミラーゼの値が平均の5~10倍にまで上昇することが知られている。発病から3~4日で血清アミラーゼは正常値に戻るのだが、尿アミラーゼはそのまま低下することなく高値が続く傾向にある。また、回復期の間でもアミラーゼの値は変動することがあり、重症な膵炎や膵嚢胞を合併している場合には経過が長引いてしまう可能性も十分に考えられる。従って2~3週間ほどは継続的に測定を行う必要があるといえるだろう。

検査より異常が確認された際は、第一に原因となっている病気の発見とその治療にあたることが大切である。CT検査や血管造影など、診断確定・経過観察に必要な検査を受け、がんなどの見落しが無いように注意したいものである。

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