歯科ドックの概要と検査項目

一般的にパっと思い浮かぶ歯科疾患といえば、う蝕や歯周病ではないだろうか。これらの疾患は罹患率も高いため軽視されがちである。しかしながら、う蝕などの硬組織疾患というのは自然治癒がほとんどなく、意外とこの事実は知られていないように感じる。自然治癒によって快方に向かうことなく、そのまま放置してしまえばむしろ悪化していってしまう事だろう。従って、他の疾患と同様に初期段階での早期発見・治療を行い、尚且つ歯科疾患にかかってしまわぬように予防することが大変重要なのである。また歯周病は慢性化し長期間持続してしまう傾向にある為、自覚症状がないというケースも少なくないのだ。定期的な検査も欠かすことが出来ないといえるだろう。
こういった口腔疾患の特徴として挙げられるのは、なんといっても病変部を直接目視することが出来るという点ではないだろうか。特にがん等の重大疾病に関しても直接確認することが出来るというのは大きい。よって検査項目として口腔粘膜の採取は必須である。加えて、唾液や口腔内の細菌などリスク因子を検査することで日頃のセルフケアをより良いものにすることも可能になるだろう。
そのことが最終的に疾患の抑制にもつながってくるのだ。
さて、この歯科ドックの対象者であるが、成人のすべてが対象となる。食事・間食の回数、歯磨きの回数、口腔補助清掃器具の使用有無などの質問をはじめ、口腔疾患に関する既往歴、自覚症状の有無などを問診票に記入してもらう。そして、全身所見も含め体格・体型・生活習慣・栄養状態の評価・姿勢・歩行・頭やあごの位置などなど様々な面から情報収集を行うのだ。他にも、唾液やリンパ節の触診・かみ合わせから顎関節症の疑いがないか等も調べていくのである。

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