平成25年度から34年度までの国民の健康を守るベく実施されている「健康日本21」。この目標の一つとして、生活習慣病のリスクを高める飲酒量を摂取していく人の割合を減少させ、加えて成人の喫煙率の減少も掲げられている。
さて、今回はこれらの対策・目標に対してどのように支援・勧奨を行っているのかという点をご紹介しようと思う。まずは飲酒についてだ。体内に入ったアルコールは胃や小腸で吸収されて肝臓へ送られる。これが酵素によって分解・合成され、血液を介して全身へと流れていく。そうして筋肉や脂肪組織などで水と二酸化炭素に分解され、体外へと排出されていくのである。体内に入ってきたアルコールを分解する際に働くアセトアルデヒドは発がん性が強いことで知られ、アルデヒド分解遺伝子が弱い人すなわちお酒に弱い人というのはとりわけ注意が必要だ。また、たばこに含まれる有害物質タールにも発がん物質が含まれており尚且つアルコールに溶けやすい。その発がんリスクは喫煙のみの場合と比較しても40倍以上にも及ぶ。従って、飲酒に加え喫煙も行っている人は更に要注意だと言えるだろう。近年では、唾液による遺伝子検査によって飲酒に対する代謝能力を5段階で判別できるようになってきており、人間ドックでも実施されるようになってきているようだ。
さて続いて禁煙に対するサポートの実際のところを見ていこう。まずもって情報提供を行うことが重要だといえる。たばこが招く病気は肺がんをはじめとして喉頭がん・口腔がん・咽頭がん・食道がん・胃がん・膀胱がん・腎盂尿管がん・膵がんなど多くのがん、虚血性疾患・脳血管疾患・慢性閉塞性肺疾患・歯周疾患など大変多くのリスクを秘めているのだ。それだけでなく、低出生体重児や早産・流産も招きかねない妊娠にも関連しうる危険因子であることを知ってもらわなければならない。また、たばこに含まれるニコチンは依存性もある為、必要に応じて禁煙外来を勧める。積算喫煙指数やニコチン依存度などを加味して治療開始同意書の署名を行うと健康保険適応の禁煙補助薬を用いることも可能となる。過去に健康保健などで禁煙治療を受けた事のある場合には、前回の治療初診日から1年経過しないうちは自由診療となっている。とはいえ、まだまだフォローアップを行うには改善の余地がある点も多い為、今後更に禁煙を希望している人に対して手厚い支援を行える環境を整えていくことが求められている。

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