脂質異常症(高脂血症)

血中脂質の値に異常があり、冠動脈疾患や脳血管障害など動脈硬化が原因となる病気が発症・進展しやすい状態がある時を脂質異常症(高脂血症)と言います。特に、LDLコレステロールや中性脂肪の高値、或いはHDLコレステロールの低値のいずれかの異常をきたす場合に脂質異常症と診断されます。脂質異常症には、体質や遺伝による原発性と、他の病気が元になって生じる続発性があります。後者の続発性には、糖尿病・肥満・甲状腺機能低下症・肝疾患・腎疾患・薬剤など様々な原因があげられます。多くは、遺伝素因をもとに、食生活の欧米化・運動不足・肥満などが加わって成人以降に発症するとされます。脂質異常症は通常、症状がなく身体所見に乏しいという特徴を持ちます。コレステロールの高い状態が続くと、手足の関節に脂肪の塊が出来てくる事があります。黄色くこぶのような状態になる事から黄色腫と呼ばれます。また、角膜輪などの眼症状や肝腫大にも注意が必要です。長期に経過していく中で、動脈硬化の進行によって冠動脈疾患や脳血管障害等が発症すると、それぞれに応じた症状が現れます。