抗利尿ホルモン・カテコールアミン

抗利尿ホルモン(ADH)は、脳の視床下部で合成され、脳下垂体後葉に貯蔵されています。腎臓に対してはたらき、水を再吸収させたり、体内の水分量の調整に関わっています。体内の水分量の減少と血液の浸透圧の上昇に応じて抗利尿ホルモンのが過剰に分泌されると、血液の浸透圧は低下し、低ナトリウム血症になる事もあります。

多尿症の原因を追究する際に本検査を行う事は、腎臓そのものに原因があるのか、それとも脳に原因があるのか区別するのに役立ちます。その他、血中ナトリウム値が異常の時の原因究明にも役立てられます。続いてカテコールアミン。カテコラミンとも呼ばれます。この物質は、主に副腎髄質から分泌され、血圧・糖代謝・発汗などに作用するホルモンの総称になります。

詳しく見ていくと、アドレナリン・ノルアドレナリン・ドーパミンの3種類です。こちらの方が馴染み深いでしょうか。ストレスに対抗するホルモンで姿勢・運動・その他のストレスでも値が変化する事があります。

カテコールアミンが異常に高値を示す時、褐色細胞腫などが疑われます。低値は臨床上はほとんど問題がありません。血液中の値は変動が大きい為、尿中測定値を重視します。褐色細胞腫の疑いがある場合には、さらに尿中のメタネフリン分画を測定します。